天草の名店 Tシャツ 巡り
一品香 編
一品香に行ったことはあるだろうか?
貴方がまだ行った事が無いなら是非足を運んでほしい。
イッピンシャンこと山下アキラさんは
天草の本渡出身。
本渡中学校を卒業後、現在のカワダヤ横にあった餃子屋「一品香」にて働きだした。
転機が訪れたのは29歳の時。結婚を機に独立、暖簾分けをしてもらいワイフ(※イッピンシャンは奥さんのことをワイフと呼ぶ)と二人店を切り盛りしてきた。
5年前ワイフが病気で店に出れなくなってからというもの出前をやめた。それでも常連さんが持ち帰りの為にやってくる。
昔は相棒と釣りに行くために稀に店を閉めていたらしいが今は年中無休。
誰かが来て閉まっていたらガッカリするからという理由で365日店を閉めない。
雨の日も風の日もイッピンシャンは自転車に乗って店に行く。
3,4年前の天草の大雪の日にも店の前に佇んでいたのは本当に驚いた。
中学卒業後から彼此58年。ほぼ毎日餃子を焼き続けている。とんでもない年月だ。
一体幾つの餃子を腹ペコの胃袋にぶち込んで来たのだろう。
名物の餃子は一から皮を作る。
棒状に捏ねた皮を均等に千切る。
ずっと使っているまな板の上で皮を延ばす。
店に行き見て欲しいが捏ね過ぎてまな板の中央がえぐれている。
秘伝のタネを皮で包む。
あー文章書きながらよだれ出てきた。
仕事中も軽快なトークは止まらない。
勿論バリバリの天草弁。
「イッピンシャン~ビール頂戴」と言うと
「ビールは増税で650円に値上がりしたっぞ〜勝手に取れ〜取ったら餃子出来上がるまでおでんでも噛んどけ」
と言っておでんを出してくれる。
厨房を通り抜けビールをカウンター裏に取りに行く。
無造作に置いてあるコップを手に取りビールを注ぐ。おでんをつまみにビールを流し込む。
厨房から芳ばしい匂いがしてくる。
働く男の手。カッコいいな。
焼き上がりの瞬間!
焼きたてホカホカの餃子。
問答無用の旨さ。
8個600円也。
さぁさぁ!
食す!
とこうなる。あまりの旨さに昇天。
いつも大体上顎を火傷している。
からのビール行く。これを無限ループ∞
一品香Tシャツ着た2人もご満悦です笑
アマクサローネ実行委員メンズで押しかけ出来たばかりのTシャツをプレゼント。
喜んでくれて良かった。
イッピンシャンはもう73歳。
帰りにいつもふと思う。
いつまでこの餃子食えるんかな?と。
俺の叔父さんとイッピンシャンは同級生で御年73歳。立ち仕事の飲食業。過酷な仕事だ。
「膝の痛かっじゃん」
と呟くのを何度か聞いたことがある。
雨の日も風の日も、毎日毎日誠実に作り続ける餃子の味を受け継ぐ人は居ない。
アマクサローネは今年で12回目。
天草の様々な作り手とイベントを創りあげてきた。
今回、天草の名店を紹介したいと思い一品香に声を掛けた。
ここの餃子を是非一度食べてみて欲しい。
そしてイッピンシャンと話してみて欲しい。
きっと素敵な時間になると思う。
出来ればビールを飲みながら。
天草名店案内人 金澤佑哉
ギョウザ専門店
一品香
天草市古川町5
0969-22-3212